平成31年税制改正 中小企業経営強化税制

平成31年税制改正 中小企業経営強化税制

平成31年税制改正後の中小企業経営強化税制の内容と適用を受けるまでの手続きについてまとめました!
新店舗・新営業所・工場の新製造ラインの設置など、大きな金額の設備投資をされる中小企業・個人事業主の皆さまはぜひお読みください!!!

また、多店舗展開を計画する飲食店、ホテル、コインランドリー、スーパーマーケット、 などの事業者さまは申請が通りやすく、
節税効果も絶大ですので、ぜひご検討下さいませ!!!

平成31年税制改正後も、税制適用対象の設備とその節税効果について以下のとおり変更がありませんので、非常に効果的な節税方法です!

【税制対象の設備】

類型 生産性向上設備(A類型) 収益力強化設備(B類型)
要件①  導入する設備の生産性*1が、旧モデル比年平均1%以上向上すること
*1 生産効率、エネルギー効率、精度等
 導入する設備の投資計画*2における投資利益率が年平均5%以上であること
*2 設備投資をした会計年度の翌年度から3年間の利益計画を作成
要件①
確認者
工業会等 経済産業局
要件② 中小企業等経営強化法に基づき経営力向上計画の認定を受けること
要件②確認者 業種を所轄する主務大臣
(担当省庁)
 

 

 

対象
設備

生産性向上設備(A類型) 収益力強化設備(B類型)
機械装置 160万円以上 機械装置 160万円以上
測定工具及び検査工具 30万円以上 工具 30万円以上
器具・備品 30万円以上 器具・備品 30万円以上
建物附属設備 60万円以上 建物附属設備 60万円以上
ソフトウェア
(情報を収集・分析・指示する機能のみ)
70万円以上 ソフトウェア 70万円以上

【その他の要件】
・生産等設備を構成するものであること(事務用器具備品、本店・寄宿舎等の建物付属設備、福利厚生施設に係るもの等は該当しません)
・国内への投資であること
・中古資産・貸付資産でないこと

【節税効果】
設備投資額の全額の即時償却(一括費用処理)又は税額控除10%*3が受けられます。
*3 資本金3,000万円超1億円以下の場合、税額控除は7%となります。

主な改正内容は以下のとおりです。
1.認定計画に基づき取得(合併、会社分割又は事業譲渡)した一定の設備に係る登録免許税について以下のとおり減額されます。

登記の種類 通常税率 計画認定時の税率
不動産所有権移転
の登記
事業に必要な資産の譲受けによる移転の登記 2.0%
(*4)
1.6%
合併による移転の登記 0.4% 0.2%
分割による移転の登記 2.0% 0.4%

2.認定計画に基づき取得(事業譲渡のみ*4)した一定の設備に係る登録免許税について以下のとおり減額されます。

取得する不動産の種類 税額 計画認定時の特例
土地・住宅 不動産の価格×3.0% 不動産の価格の1/6相当額を課税標準から控除
住宅以外の家屋 不動産の価格×4.0%(*5)

*4 合併や一定の会社分割の場合は非課税
*5 事務所や宿舎等の一定の不動産を除く

3.認定計画に基づき以下のいずれかの許認可事業を承継する場合には、承継される側の事業者から、当該許認可に係る地位をそのまま引き継ぐことができます。
【承継される許認可】
旅館業/建設業/火薬類製造業・火薬類販売業/一般旅客自動車運送業/
一般貨物自動車運送業/一般ガス導管事

4.償却資産税の減免制度がなくなりました。代替制度として、先端設備導入計画を策定・申請することにより同等以上の効果が得られます。

中小企業経営強化税制とは、

青色申告書を提出する中小企業者等※1が、指定期間内※2に、中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備※3を新規取得等し、指定事業※4の用に供した場合、法人税※5について即時償却または取得価額の10%※6の税額控除の選択適用ができます。

※1 資本金(出資金)の額が1億円以下の法人や常時使用する従業員数が千人以下の法人・個人
※2 平成29年4月1日から令和3年3月31日までの期間
※3 以下の通り

 

 

 

対象設備

生産性向上設備(A類型) 収益力強化設備(B類型)
機械装置 160万円以上 機械装置 160万円以上
測定工具及び検査工具 30万円以上 工具 30万円以上
器具・備品 30万円以上 器具・備品 30万円以上
建物附属設備 60万円以上 建物附属設備 60万円以上
ソフトウェア
(情報を収集・分析・指示する機能のみ)
70万円以上 ソフトウェア 70万円以上

【その他の要件】
・生産等設備を構成するものであること(事務用器具備品、本店・寄宿舎等の建物付属設備、福利厚生施設に係るもの等は該当しません)
・国内への投資であること
・中古資産・貸付資産でないこと

※4 指定事業とは、農業、林業、漁業、水産養殖業、鉱業、建設業、製造業、ガス業、情報通信業、一般旅客自動車運送業、道路貨物運送業、海洋運輸業、沿海運輸業、内航船舶貸渡業、倉庫業、港湾運送業、こん包業、郵便業、卸売業、小売業、損害保険代理業、不動産業、物品賃貸業、学術研究、専門・技術サービス業、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、映画業、教育、学習支援業、医療、福祉業、協同組合(他に分類されないもの)、サービス業(他に分類されないもの)
対象とならない業種:電気業、水道業、鉄道業、航空運輸業、銀行業、娯楽業(映画業を除く)、性風俗関連特殊営業など

※5 個人事業主の場合は所得税
※6 資本金3千万円超1億円以下の法人は7%

ちなみに、建物について設備投資減税を受けたい場合は以下税制があります。大企業も適用可能です。

地域未来投資促進税制について

A類型とは?

A類型は、導入する設備1台ごとに生産性が向上しているか判定します。
例えば、エアコンを購入するときに旧モデル比でエネルギー効率が1%以上購入しているエアコン(器具備品)を50万円で購入する場合、中小企業経営強化税制の対象となります。
そのため、上記の金額要件を満たす設備を購入する際は、購入する業者さんやメーカーに所属する業界の工業会から証明書を入手できるか問い合わせするようにして下さい。

工業会の証明書に記載されている『整理番号』を記載した経営力向上計画を所轄の主務大臣(業種により変わります)に提出し、認定を受けます。そして、税務申告時に認定を受けた経営力向上計画と工業会の証明書の写しを税務署に提出します。

B類型とは?

B類型は、導入する複数の設備を一体とみなして生産性が向上しているか判定します。
例えば、新店舗や新営業所、工場の新製造ラインを設置するときに、その設備投資に係る投資計画における投資利益率(※7)が5%以上である場合、中小企業経営強化税制の対象となります。手続きとしては、策定した投資計画について認定経営革新等支援機関※8による事前の確認を受け、所轄の経済産業局と面談し、投資計画の確認を受ける必要があります。所轄の経済産業局の確認が完了しますと、「投資計画の確認書」が郵送されます。

「投資計画の確認書」に記載されている『確認書番号』を記載した経営力向上計画を所轄の主務大臣(業種により変わります)に提出し、認定を受けます。そして、税務申告時に認定を受けた経営力向上計画と「投資計画の確認書」の写しを税務署に提出します。

※7 計算式:「営業利益+減価償却費*6」の増加額*7 ÷ 設備投資額*8

*6 会計上の減価償却費
*7 設備の取得等をする年度の翌年度以降3年度の平均額
*8 設備の取得等をする年度におけるその取得等をする設備の取得価額の合計額

※8 国が専門知識を有し、一定の実務経験を持つと認定した支援機関等(公認会計士・税理士など)。田村公認会計士・税理士事務所は認定経営革新等支援機関です!中小企業経営強化税制の申請を多数行っているエキスパート集団です!B類型の申請をご検討される場合は、ぜひ田村公認会計士・税理士事務所にご相談くださいませ!

 

対象となる事業について

 指定事業を営む事業者が対象となるため、製造業だけなく、小売業やサービス業などさまざま業種の事業者が中小企業経営強化税制の適用を受けることが可能です。

一方で、売電事業が適用対象外のため、売電収入を得る目的で太陽光発電システムの設備投資をする場合は、中小企業経営強化税制の適用はできません。一方で、事業者が営む工場などで自家消費をする目的で太陽光発電システムの設備投資をする場合は、中小企業経営強化税制の適用の対象となります。太陽光発電システム等の発電設備を投資する場合は、経営力向上計画の認定申請時に「発電設備等の概要等に関する報告書」及びその記載内容を証する書類の添付が必要となります。

医療法人などの医療保健業が導入する医療機器と建物附属設備については、中小企業経営強化税制の適用対象となりません。データセンター業を行う事業者が取得する電子計算機(PCやサーバーなど)についても中小企業経営強化税制の適用対象となりません。

中小企業経営強化税制の適用対象となるのかと問い合わせが多い事業として、コインランドリー、マイニングマシン、美容室、飲食店、コンビニ・スーパーが挙げられますが、いずれも指定事業に該当すると考えます。

手続きの流れと期限について

A類型 B類型
【期限】
設備の取得から60日
業者やメーカー経由で、工業会等の証明書を入手。 【期限】
設備の取得まで
認定経営革新等支援機関が投資計画の事前確認を実施。
経済産業局に訪問し、投資計画等*9の確認・認定を受ける。
その業種を所轄する主務大臣に対し、中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受ける。 【期限】
設備の取得から60日
その業種を所轄する主務大臣に対し、中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受ける。
【期限】
法人税の申告期限
法人税の申告書に必要な別表を付ける他、工業会の証明書や認定を受けた経営力向上計画の写しを税務署に提出する。 【期限】
法人税の申告期限
法人税の申告書に必要な別表を付ける他、経済産業局の「投資計画の確認書」や認定を受けた経営力向上計画の写しを税務署に提出する。

スケジュール目安の詳細は、以下リンク先をご参照ください!!!

平成31年税制改正 中小企業経営強化税制の申請までのスケジュール

*9 【B類型-経済産業局への提出資料】

No 提出資料 提出資料補足
1 投資計画の確認申請書 設備投資の内容とその効果について記載します
2 基準への適合状況 投資計画の投資利益率が5%以上あることを記載します
3 基準への適合状況説明資料 投資事業年度翌年度以降3期間の事業計画
4 登記簿謄本の写し 最新の内容であれば、発行日の制限はありません
5 貸借対照表と損益計算書 直近期1年分
6 設備投資図面 ソフトウェアの場合は変更前と変更後の機能変化の分かる資料
7 設備投資計画(代表者の押印あり) 稟議書、取締役会議事録など
8 設備投資の見積書、不動産賃貸借契約書 設備投資の内容・金額の確認をするため
不動産の賃貸をする場合は契約期間・条件の確認をするため
9 事前確認書 田村公認会計士・税理士事務所で作成

節税効果について

設備投資額の全額を一時に費用処理できる即時償却、又は設備投資額×10%の税額控除※9(資本金3,000万円超1億円以下は7%)を受けることができ、非常に高い節税効果を有します!
※9 税額控除とは、法人税額を減らすことができる効果をいいます。例えば、税引前利益が100万円で法人税率が25%としますと、法人税は25万円と算定されます。これに税額控除10万円があったとすると、法人税額は15万円となります。

なお、税額控除は、その事業年度の法人税額又は所得税額の20%までが上限であり、控除できなかった金額については翌事業年度に繰り越すことができます。

田村公認会計士・税理士事務所は中小企業経営強化税制の申請実績が豊富です!

田村公認会計士・税理士事務所は、現在まで20件超の中小企業経営強化税制の申請実績があります!
その業種は多岐にわたり、自動車部品製造業、食品加工物製造業、金属加工業、プラスティック容器製造業、金属加工業、日本料理店や韓国料理店やラーメン屋などの飲食店業、ホテル業、建設業、情報通信業、中食業などがあります。
(中小企業経営強化税制の前の制度である生産性向上設備投資促進税制の時には100件を超える申請実績がありました!)

田村公認会計士・税理士事務所は、この豊富な実績とノウハウにより、皆さまが中小企業経営強化税制の適用を受けることができるように導きます!田村公認会計士・税理士事務所は投資計画の立案から経済産業局のへの面談同行、中小企業庁等の経営力向上計画の調整作業までフルサポートさせて頂きます!
・投資計画の立案
・投資計画書の作成
・投資計画書の事前確認
・経済産業局のへの投資計画の確認申請書の作成
・基準への適合状況の作成
・経済産業局の訪問同行、投資計画の説明
・経営力向上計画の立案、作成
・経営力向上計画の認定申請書の作成・申請
・経営力向上計画の内容に係る担当省庁との調整代行

中小企業経営強化税制の申請業務については絶対的な自信があります!!!
令和1年7月1日時点における中小企業経営強化税制の申請業務の成功率は100%です!!!

申請をご検討される場合は、ぜひご相談下さいませ!
中小企業経営強化税制の申請に関して相談する

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